4/13打ち上げ! 木星氷衛星探査機JUICEが解き明かす太陽系の起源

(Credit: ESA)

約3日後に迫った日本時間21時頃に、木星氷衛星探査機JUICEが打ち上げられます!最大の惑星である土星とその衛星を調査して太陽系の起源に迫るJUICEプロジェクトを紹介します。21日夜はこの壮大なプロジェクトの旅立ちを見守りましょう!

JUICEプロジェクトとは

JUICEはESA(欧州宇宙機関、NASAのヨーロッパ版)が主導する木星氷衛星探査計画で、欧州各国に加えて日本やアメリカ、イスラエルが参加する史上最大級の国際太陽系探査計画です。なお、JUICEは「JUpiter ICy moons Explorer」の略称で、意味はそのまま「木星氷衛星探査」です。2023年に打ちあげて2031年に木星系(木星の近く)に到着し、2034年に木星の衛星ガニメデを周回する軌道に投入する予定となっています。

JAXAのページ → https://juice.stp.isas.jaxa.jp/

簡単に言えば、木星とその周辺の氷衛星、つまり表面が凍っている衛星を調べることを目的とした計画です。

Juice mission
木星へ向かうJUICEのイメージ図(Credit: ESA)

JUICEプロジェクトの目的 - なぜ木星とその衛星なのか -

JUICEの目的は、大きく分けて以下の3つです。この3ミッションを通して、最も太陽系の形成に影響を与えたであろう最大の惑星「木星」がどのような惑星であり、どのように出来たのか、そして周囲を回る衛星たちの環境はどうなっているのかを解明しようとしています。

  • 太陽系の起源の謎の解明 : 木星は地球の約300倍の質量を持つ巨大なガス惑星です。この質量がもたらす重力が、現在の太陽系の形が出来る過程に大きく影響したと考えられています。その大きな役割を果たした木星がどのように出来たのか、これを解明するヒントが木星とその周辺の衛星に残っていると期待されています。
  • 生命存在可能性の探求 : 木星の衛星は表面が凍っているため一見氷の塊に見えます。しかし、その内部は表面に比べ加熱されていることから、氷が解けて海のような状態になっている可能性があります。木星の衛星の内部に海があるとすれば、その環境はどのようになっているのでしょうか?地球以外に水の星が存在するのか、その謎がこの探査で解けるかもしれません。
  • 木星の磁場の運動の観測と解明 : 木星は太陽系で最も強力な磁場を持ち、木星周辺のプラズマを猛烈に加速することで地球数個分の大きさのとてつもないオーロラを発生させています。このような巨大なスケールで生じる現象の解明もJUICE探査機のミッションです。
Jupiter's aurora
木星のオーロラは地球のものとよく似ている。 (Credit: ESA)

JUICE探査機の旅

JUICEは地球を旅立ってから約8年間かけて、月や地球、そして金星の重力を上手に利用してその軌道を変化させ木星へと向かいます。そして木星に近付くと、衛星であるガニメデ、カリスト、エウロパの近く通るタイミングで詳細な観測を行い、最後はガニメデを周回する軌道に入ってガニメデの詳細なマップや構造を調べた後、ガニメデに突入してミッションを終える予定となっています。

今では土星の輪が氷で出来ているというのは割と知られていますが、ボイジャーという探査機が行くまでは岩石や塵やガスなどの何かが輪の形にあることしか分かっていませんでした。もしかすると、この探査によってまた常識が塗り替えられるかもしれません。大きな期待を背負ったJUICEに期待です!未来へ、さあ走り出せ!

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