宇宙と地球の境目は?衛星の高度とその役割について

前に超低高度衛星が打ち上げられるという記事を書いたのですが、「超低高度ってどれくらい?」「そもそもどこからが宇宙なの?」というところについて今回は語ってみます。

「しきさい」「つばめ」H-IIAロケット37号機での打ち上げ詳細発表

宇宙と地球の境目は?

高度100 kmが一般的に宇宙と地球の境目とされています。これについてはJAXAのページでもこのように述べられています。

国際航空連盟(Federation Aeronautique Internationale: FAI)という組織が、高度100kmから上を宇宙と定義しています。

参考

空と宇宙の境目はどこですか?ファン!ファン!JAXA!

ただし、100kmになると空気が全くなくなってしまうということはありません。大気圏は500 km以上の高度からなり、100 kmの時点ではそれなりに大気があります。(勿論地上に比べるとかなり薄いです。)

では、地上から離れつつそこがどんな距離なのか見ていきます。

この高度ってどんな場所?(数字はおおよそです)

高度3.776km

富士山山頂です。まだ宇宙へは遠い。

高度10km

飛行機の高度です。雲の高さもこの付近。

高度80km

流星が消滅する高度です。まだ大気は濃いめ。

高度100km

ここから宇宙です。地上での100kmは大したことのない距離ですが、上に向かうと宇宙まで行けてしまいます。

高度120km

スペースシャトルが帰ってきた際に、大気圏再突入と呼ばれる高度です。大気による機体の加熱が始まるぐらい。流星もこの付近の高度で光っています。

高度200km

超低高度衛星技術試験機「つばめ」(軌道高度 268km~180km)が投入される軌道です。まだ大気は濃く、ブースターで押し上げないと大気抵抗で落ちていきます。大気圏突入ギリギリな位置です。

高度400km

国際宇宙ステーション(ISS)が周回している高度です。ちなみにこの高度でも毎月約2.5 kmくらい高度が落ちてしまうため、ブースターで押し上げています。

高度600-800km

地球を観測する衛星が主に使う高度です。例えば、12月に打ち上げ予定の気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)は軌道高度800km付近に投入予定です。

高度2万km

GPS衛星が使っている高度です。地球を一日にちょうど二周します。

高度3万5000km

静止衛星の高度です。地球と同じスピードで回っているので、地上から見ると常に同じ位置に見えます(地球の外から見ると地球の周りを一周します)。通信衛星などに使われます。

高度38万km

月の高度(距離)です。地球を9周半するくらいの距離があります。地球から見ると遠いですが、宇宙で見ると庭のペット並みです。

高度1億4960万km

太陽の高度(距離)です。一億kmというとてつもなく遠くにいます。

211億km

人類が一番遠くへと飛ばした衛星、ボイジャー1号の現在の地球からの距離です。NASAによれば太陽圏を脱出したそうで、果てしない距離であることが分かります。

光の時速が10.8億km/hですから、光ですら片道20時間かかる距離ということになります。

現在も地球から離れていて、今のボイジャー1号の状態はこのサイトで確認することができます。(英語です。)

参考

Voyager - Mission StatusNASA

 

ちなみに……

4.243光年 = 40兆km

一番近い恒星(自分で光る星のこと。太陽など)までの距離です。また、一等星であるケンタウルス座アルファ星もほぼ同じ(約1兆kmをそう言っていいものか迷います)距離にいます。夜空に浮かぶ星々に向かうと、このスケールの旅をすることになります笑

まとめ

近くに人工衛星を打ち上げると…

  • 軌道に入れるのは比較的簡単
  • 地球に近いので地球を観測しやすい
  • あまり近いと大気の影響を受けやすい

遠くに送ると……

  • 軌道に入れるのがちょっと大変
  • 地球と同じ周期などで安定した通信を実現できる
  • 地上からは観測できないものを見に行ける

宇宙の距離のイメージを掴んでもらえたら嬉しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。